先月、女優の樹木希林さんが亡くなりました。

何年も前からガンを患っていることを公にしていましたが、治療しながらも映画に出続け、テレビで見る機会も多かったので、漠然とながら本当に亡くなるとは思えず、けっこう喪失感があります。
ところで私は映画を見る
のが割と好きなのですが、昨年主人が独立開業し整骨院を立ち上げてからそちらの仕事が忙しく、日曜日も研修に行ったり院の経理や制作の仕事をしたりで映画を見る機会がなくなり、最後に見たのが昨年の4月(『3月のライオン(後編)』で、それ以来全然映画を見ていなかったのです。
でも、たまたま少し前に見たNHKの「樹木希林を生きる」という樹木希林さんに1年間密着したドキュメンタリーの中で、近々に公開される映画でお茶の先生役をしている撮影シーンがありました。

『日日是好日』という映画です。
http://nichinichimovie.jp/

まず、主演が黑木華。

かなり好きです。映画『小さいおうち』『舟を編む』『ソロモンの偽証』や、ドラマ『重版出来!』『みをつくし料理帖』『花子とアン』『天皇の料理番』『真田丸』『西郷どん』など、主演でも脇役でも常に自然で品があり、役を生きている感じ。

黑木華と共に重要な役どころで出てくる多部未華子もすごく好きです。

ドラマ『山田太郎ものがたり』で初めて見たときから感じがよくて好きでしたが、少し前の『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~』がお気に入りです。
二人とも派手な顔立ちではありませんが、佇まいがきれいで性格もよさそうで、特別な人なんだろうけど特別な感じがなく周りにいそうで感情移入しやすい!

この二人が大学生の時に茶道を習うことになるのですが、その先生が樹木希林というわけですね。
これは何としても見なくては!と思いました。

で、いつ公開なのかと見たら10月13日だったんですが、樹木さんが亡くなったせいでしょうか、1週間早く公開されることになって、綾川イオンにさっそく見てきたんです。
その前にパン屋さんでパンとコーヒーを買って腹ごしらえ。

ここdeデリというスタイルでパン屋さんだけではなくスーパーで買ったフルーツを食べている人もいたり、ちょっと普通のイートインやフードコートとも違った雰囲気で、悪くなかったです。

ちなみにこの真っ黒のパンは一見怪しいですが、ブラックココアとチョコレートの入ったソフトなフランスパン風の食感で、とても美味しかったです。

ただ、先行公開だったため、いつも映画のパンフレットを買って読むのが好きなのですがパンフレットはまだおいてませんでした。それだけが残念。
でも、リーフレットのビジュアルを。

実は私も高校の時茶道クラブで(部活ではなく、授業の一環で週一回必ず受ける必修クラブというもの)、裏千家の作法を1年間だけ習ったことがあるんです。
今はもうかなり忘れていますが、映画の中で描かれる「袱紗のたたみ方」「畳の歩き方」「棗(なつめ)の拭き方」「茶巾での茶碗の拭き方」「柄杓の置き方」「茶碗の眺め方」などいろいろ思い出しました。

「座るときの膝の位置は、畳の縁から畳目で16個め」とか細かくて笑っちゃったなあ、なんてことも。
とにかく細かく作法が決められていて形をまず覚えることが大事で、最初は戸惑うことばかりなんですが教えられた通りの置き方、動かし方、体の使い方をすると、ちゃんとキレイにできるようになっています。

その中でも、柄杓を窯に置き、その柄を親指にのせてスーッと手前に引き窯に置く(切り柄杓)作法は、高校生ながらその度に頭がスーッと気持ちよくなる感覚があって、今も忘れられないんですよね。

映画はとても静かでしたが、クスッと笑えるようなところとグッと胸に迫るようなところ、そして心が洗われるような清々しさがあり、ホントに見てよかったです。
茶道には細かい作法がたくさんあるけど頭で考えすぎず、習うより慣れろで何度も何度もやって身体が覚えたら勝手に動くという話は、仕事も同じだなあと思ったり。

それと、毎日毎年同じことの繰り返しのようだけど、同じことができる幸せということも改めて感じることができました。

 

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